MICROECONOMICS — CONSUMER THEORY

接点条件は覚えたのに、
比率の向きで迷う。

MRSは公式ではなく、「自分が交換してよい比率」です。市場が要求する価格比と比較すると、なぜ接点で選択が止まるのかが見えてきます。

対象:大学のミクロ経済学・消費者理論読了目安:10分更新:2026年8月14日

同じ図の4要素を、別々に読む。

01

限界効用

財を少し増やしたとき、効用がどれだけ増えるか。

02

MRS

効用一定で、xを増やすために手放せるyの量。

03

価格比

市場でxを1増やすために実際に諦める必要があるyの量。

04

最適点

予算内で到達できる最も高い無差別曲線上の点。

3問で、符号と比率の向きを確認する。

Q1

無差別曲線の傾き

MUxとMUyが正なら、dy/dxの符号は?

答えと診断

負です。効用を保ったままxを増やすにはyを減らすため、dy/dx=−MUx/MUyとなります。

Q2

MRSが価格比より大きい

消費者は市場よりxを高く評価している。xを増やす?

答えと診断

通常はxを増やします。本人が手放してよいyの量が、市場で必要な量より大きいからです。

Q3

接点がない場合

必ずMRS=px/pyを解けばよい?

答えと診断

いいえ。端点解では等式を満たす接点がなく、予算線の両端や不等式で判断します。

効用を一定にすると、MRSが傾きとして出てくる。

dU = MUxdx + MUydy = 0dy/dx = − MUx / MUyMRSxy = MUx / MUy(正の大きさ)

無差別曲線の傾き−MUx/MUy。グラフ上では通常マイナス。

MRSの大きさMUx/MUy。xを1増やすために手放せるyの量。

教科書によってMRS自体を負の傾きとして定義することがあります。答案では、授業の定義と符号を最初に明記すると安全です。

本人の交換比率と、市場の交換比率を比べる。

pxx + pyy = mdy/dx = − px / py内点解:MRSxy = px / py
無差別曲線と予算線の接点横軸が財x、縦軸が財yで、右下がりの予算線と原点に凸な無差別曲線が接する図予算線無差別曲線同じ傾き財 x財 y
内点の最適解では、予算線と無差別曲線の傾きが一致します。

効用関数から需要量まで、1本につなぐ。

効用 U(x,y)=√(xy)、価格px=3、py=1、所得m=12とします。

1
限界効用の比を作る

MUx=(1/2)√(y/x)、MUy=(1/2)√(x/y)なので、MRSxy=MUx/MUy=y/x。

2
価格比と等しくする

y/x = px/py = 3。したがって y=3x。

3
予算制約へ代入する

3x+y=12にy=3xを代入し、6x=12。x=2、y=6。

4
検算する

支出は3×2+1×6=12、MRSは6/2=3で価格比と一致します。

MRS = y/x = 3(x*, y*) = (2, 6)

接点条件は、すべての選好に使えるわけではない。

状況図の特徴判断
滑らか・厳密に凸・内点予算線と無差別曲線が接するMRS=価格比と予算制約
完全代替無差別曲線が直線MRSと価格比を比較し、通常は一方の財だけ
完全補完無差別曲線がL字屈折点と予算制約を使う
数量制約がある選択可能集合に境界接点と境界上の候補を比較

等式より、その前提と向きを落としやすい。

誤り 1

MRSをMUy/MUxにする

「xを1増やすためのy」ならMUx/MUy。何を何で測るかを言葉にします。

誤り 2

マイナス符号が二重になる

傾きは負、MRSを大きさで定義すれば正です。規約を分けます。

誤り 3

予算制約を使わない

接点条件は比率しか決めません。水準は所得mを含む予算制約で決めます。

誤り 4

すべて内点と仮定する

完全代替や数量制約では、端点候補を含めて効用を比較します。

消費者問題は、この6点を確認する。

  1. 効用関数、価格、所得、非負制約を読み取る
  2. MUxとMUyを正しく偏微分する
  3. MRSの定義と符号規約を明記する
  4. 内点解ならMRS=px/pyを立てる
  5. 予算制約と連立して消費量を求める
  6. 端点の可能性と予算超過がないか検算する

効用関数が変わっても、最適化の判断順は変わりません。

コブ=ダグラス、準線形、完全代替、完全補完では、接点条件の使い方が違います。実際の講義で扱う効用関数と試験形式に合わせ、図・微分・ラグランジュ法をつなげます。

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