MICROECONOMICS — CONSUMER THEORY
接点条件は覚えたのに、
比率の向きで迷う。
MRSは公式ではなく、「自分が交換してよい比率」です。市場が要求する価格比と比較すると、なぜ接点で選択が止まるのかが見えてきます。
FOUR OBJECTS
同じ図の4要素を、別々に読む。
限界効用
財を少し増やしたとき、効用がどれだけ増えるか。
MRS
効用一定で、xを増やすために手放せるyの量。
価格比
市場でxを1増やすために実際に諦める必要があるyの量。
最適点
予算内で到達できる最も高い無差別曲線上の点。
QUICK DIAGNOSIS
3問で、符号と比率の向きを確認する。
無差別曲線の傾き
MUxとMUyが正なら、dy/dxの符号は?
答えと診断
負です。効用を保ったままxを増やすにはyを減らすため、dy/dx=−MUx/MUyとなります。
MRSが価格比より大きい
消費者は市場よりxを高く評価している。xを増やす?
答えと診断
通常はxを増やします。本人が手放してよいyの量が、市場で必要な量より大きいからです。
接点がない場合
必ずMRS=px/pyを解けばよい?
答えと診断
いいえ。端点解では等式を満たす接点がなく、予算線の両端や不等式で判断します。
THE SLOPE FROM TOTAL DIFFERENTIAL
効用を一定にすると、MRSが傾きとして出てくる。
無差別曲線の傾き−MUx/MUy。グラフ上では通常マイナス。
MRSの大きさMUx/MUy。xを1増やすために手放せるyの量。
教科書によってMRS自体を負の傾きとして定義することがあります。答案では、授業の定義と符号を最初に明記すると安全です。
BUDGET AND TANGENCY
本人の交換比率と、市場の交換比率を比べる。
WORKED EXAMPLE
効用関数から需要量まで、1本につなぐ。
効用 U(x,y)=√(xy)、価格px=3、py=1、所得m=12とします。
MUx=(1/2)√(y/x)、MUy=(1/2)√(x/y)なので、MRSxy=MUx/MUy=y/x。
y/x = px/py = 3。したがって y=3x。
3x+y=12にy=3xを代入し、6x=12。x=2、y=6。
支出は3×2+1×6=12、MRSは6/2=3で価格比と一致します。
WHEN TANGENCY FAILS
接点条件は、すべての選好に使えるわけではない。
| 状況 | 図の特徴 | 判断 |
|---|---|---|
| 滑らか・厳密に凸・内点 | 予算線と無差別曲線が接する | MRS=価格比と予算制約 |
| 完全代替 | 無差別曲線が直線 | MRSと価格比を比較し、通常は一方の財だけ |
| 完全補完 | 無差別曲線がL字 | 屈折点と予算制約を使う |
| 数量制約がある | 選択可能集合に境界 | 接点と境界上の候補を比較 |
COMMON ERRORS
等式より、その前提と向きを落としやすい。
MRSをMUy/MUxにする
「xを1増やすためのy」ならMUx/MUy。何を何で測るかを言葉にします。
マイナス符号が二重になる
傾きは負、MRSを大きさで定義すれば正です。規約を分けます。
予算制約を使わない
接点条件は比率しか決めません。水準は所得mを含む予算制約で決めます。
すべて内点と仮定する
完全代替や数量制約では、端点候補を含めて効用を比較します。
EXAM CHECKLIST
消費者問題は、この6点を確認する。
- 効用関数、価格、所得、非負制約を読み取る
- MUxとMUyを正しく偏微分する
- MRSの定義と符号規約を明記する
- 内点解ならMRS=px/pyを立てる
- 予算制約と連立して消費量を求める
- 端点の可能性と予算超過がないか検算する
FROM A FORMULA TO YOUR CLASS
効用関数が変わっても、最適化の判断順は変わりません。
コブ=ダグラス、準線形、完全代替、完全補完では、接点条件の使い方が違います。実際の講義で扱う効用関数と試験形式に合わせ、図・微分・ラグランジュ法をつなげます。
消費者理論の資料を相談するSOURCES
内容確認に使用した一次資料
- 中央大学 2026年度「中級ミクロ経済学」シラバス — 消費者行動、最適化と需要理論の授業上の位置づけ。
- MIT OpenCourseWare: Intermediate Microeconomic Theory — 選好、効用、予算制約と消費者選択の公式教材。