MACROECONOMICS — IS-LM

曲線は描けても、
なぜ動くかで止まる。

IS-LM分析の難所は、右・左を暗記することではありません。「どの市場の均衡か」「何が外から変わったか」「新しい均衡までどの曲線上を動くか」を分けることです。

対象:大学のマクロ経済学・短期モデル読了目安:10分更新:2026年8月14日

同じグラフに、4種類の判断が重なっている。

矢印だけを覚えると、問題文の条件が少し変わっただけで判断できなくなります。まず次の4点を別々に確認します。

01

市場

ISは財市場、LMは貨幣市場。それぞれを均衡させる組合せです。

02

軸

横軸は産出量Y、縦軸は利子率r。軸の変数はモデル内部で同時に決まります。

03

外生変数

政府支出G、租税T、名目貨幣供給M、物価Pなどは曲線の位置を変えます。

04

調整経路

一方の曲線が動いた後、もう一方の曲線上を移動して新しい交点へ向かいます。

3問で、暗記になっていないか確認する。

Q1

利子率rだけが低下した

他の条件が一定なら、IS曲線はシフトする? それとも曲線上を動く?

答えと診断

IS曲線上の移動です。rは縦軸の変数であり、曲線を作る外生条件そのものは変わっていません。

Q2

政府支出Gが増えた

同じ利子率の下で財市場の均衡産出量はどう変わる?

答えと診断

総需要が増えるため均衡産出量は増え、IS曲線が右へシフトします。

Q3

名目貨幣供給Mが増えた

物価Pが一定なら、LM曲線はどちらへ動く?

答えと診断

実質貨幣供給M/Pが増えるのでLM曲線は右、または下へシフトします。同じYなら均衡利子率が低くなるからです。

ISとLMは「2本の線」ではなく、2つの均衡条件。

IS:財市場Y = C + I + G

利子率が下がると投資Iが増え、需要と均衡産出量Yが増えるため、標準的には右下がりです。

LM:貨幣市場M/P = L(Y,r)

所得Yが増えると取引のための貨幣需要が増えます。供給一定なら、均衡には高いrが必要なので右上がりです。

IS曲線とLM曲線の交点横軸を産出量Y、縦軸を利子率rとし、右下がりのIS曲線と右上がりのLM曲線が交わる図 ISLM財市場と貨幣市場が同時に均衡 産出量 Y利子率 r
交点は、財市場と貨幣市場を同時に均衡させるYとrです。

連立方程式なら、政策前後を検算できる。

単純化したIS式とLM式を次のように置きます。rはパーセント単位です。

IS:Y = 1000 − 20r LM:Y = 500 + 30r
1
2つの式を等しくする

1000 − 20r = 500 + 30r より、500 = 50r。

2
利子率を求める

r = 10。どちらかの式へ戻します。

3
産出量を求めて検算する

Y = 1000 − 20×10 = 800。LM式でも500 + 30×10 = 800です。

グラフで方向を判断し、連立方程式で大きさを確認します。どちらか一方だけでは、符号の取り違えや代入ミスを見落としやすくなります。

「軸の変数か、曲線の外の条件か」で決める。

変化最初に起こること曲線新しい均衡まで
政府支出G↑同じrで総需要・Yが増えるISが右へシフトLM曲線上を右上へ移動
租税T↑可処分所得と消費が減るISが左へシフトLM曲線上を左下へ移動
貨幣供給M↑同じYで均衡rが下がるLMが右・下へシフトIS曲線上を右下へ移動
物価P↑実質貨幣供給M/Pが減るLMが左・上へシフトIS曲線上を左上へ移動

暗記だけの説明政府支出が増えるとISは右、だからYが増える。

因果が伝わる説明Gの増加で同じrの総需要が増えISが右へ動く。Y増加で貨幣需要が増えるため、LM上を右上へ移動してrも上がる。

財政政策では、利子率上昇が需要増加の一部を打ち消す。

政府支出の増加によってIS式が Y = 1100 − 20r へ変わったとします。LM式は変わりません。

1100 − 20r = 500 + 30rr = 12、Y = 860
政策前Y = 800、r = 10

最初の同時均衡。

ISだけを見るとr = 10なら Y = 900

需要増加は100。

新しい同時均衡Y = 860、r = 12

r上昇で投資が減り、増加は60に縮む。

この差がクラウディング・アウトです。「財政政策は無効」という意味ではなく、この例では利子率上昇が産出量の増加を一部弱めています。

試験では、矢印より説明の途中が採点される。

誤り 1

rが下がるからISが右へシフト

rは軸の変数です。他条件一定ならIS曲線上を右下へ動きます。

誤り 2

貨幣供給が増えるとISが動く

最初に変わるのは貨幣市場です。LMが右・下へ動きます。

誤り 3

右シフトならrも必ず上がる

どの曲線が動くかでrの方向は違います。IS右ならr↑、LM右ならr↓が標準です。

誤り 4

モデルの前提を書かない

短期・物価固定・投資が利子率に反応する等、授業で置かれた前提を確認します。

政策問題は、この順番なら崩れにくい。

  1. 変化したのはG・T・M・Pなどのどの条件か
  2. 最初に財市場と貨幣市場のどちらが変わるか
  3. ISまたはLMはどちらへシフトするか
  4. もう一方の曲線上をどちらへ移動するか
  5. Yとrの最終方向を、式または言葉で検算したか
  6. 短期・物価固定など問題の前提を書いたか

消費関数・投資関数の形が違っても、判断軸は同じです。

授業によって、租税、期待、物価調整、海外部門まで含む式は異なります。実際の講義資料と試験範囲を確認し、どの式からIS・LMを導く授業なのかに合わせて整理します。

マクロ経済学の資料を相談する

内容確認に使用した一次資料

プランは未定でも、
相談できます。

「どこが分からないか」を、きれいに説明できなくても大丈夫。科目と、いま止まっているところを分かる範囲でお知らせください。

内容・日程・条件を確認してから

初回相談・体験

60分 3,000円(税込)

  • 現在の授業と、止まっている地点を確認
  • 実際の問題を使って、説明と練習
  • 次に取り組む内容と、進め方を整理

継続契約は必須ではありません。資料の共有方法は必要に応じて返信後にご案内します。

CONSULTATION FORM

フォームで、今の状況を送る。

大学・学年、科目、希望時期、困りごとなどを入力します。講義資料や答案の添付は不要です。

困りごとの書き方の例

統計学の検定で、どの公式を使うのか判断できません。授業の演習を一人で進められるようになりたいです。

科目と困りごとを相談する

フォーム送信だけで契約・支払いは確定しません。

  1. 01
    状況を送る

    科目・時期・困りごと。プランは未定でも構いません。

  2. 02
    対応可否と日程を確認

    内容を確認して返信し、必要な支援と条件をご案内します。

  3. 03
    合意後に、初回相談・体験

    60分3,000円(税込)。送信だけで契約・支払いは確定しません。

フォームでいただいた内容を確認し、事業用メールからご連絡します。

入力前に短く相談したい方は

Instagram DM または メール